2017~2021年文部科学省補助金基盤研究C

家族の再構築を促す育児期支援プランの検討

2017~2021年文部科学省補助金基盤研究C

家族の再構築を促す
育児期支援プランの検討

研究の結果・成果 result

Result 研究の結果

研究01 選択的回答並びに記述式質問項目による自記式質問紙調査

1.“夫婦ペアレンティング調整尺度”を用いて、夫婦ペアレンティング調整の状況を明らかにするとともに、それらに関連している要因を探索した。

【研究1-1】報告書

2.夫婦の子育ての話し合いの状況、夫婦が相手から子育てを批判された時の気持ちや、批判の背景にある事柄の受け止めを明らかにした。

【研究1-2】報告書

3.母親の夫婦ペアレンティングである促進と批判を母親が行動に移す影響要因を探索した。

研究02 家庭訪問による個別インタビュー調査

夫婦ペアレンティングへの思いを聞き取り、妻の促進行動や批判行動の背景にある思いやその思いに関係していると考えられる夫婦関係の自覚を明らかにした。また、新たな夫婦ペアレンティング尺度の内容につなげた。

【研究2】報告書

研究03 夫婦ペアレンティング尺度の開発

夫婦が協力して子育てすることが夫婦関係や子どもの成長への有効性が明らかとなる夫婦ペアレンティング尺度を検討している。

研究結果報告書(全ページ)
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調査に用いた尺度

1.育児幸福感短縮版尺度


母親が子育て中に感じる肯定的な気持ち
“子育ての喜び”5項目、“子どもとの絆”4項目、“夫への感謝”4項目の3因子からなる13項目の短縮版尺度を用いた。各項目は“1.あてはまらない から 5.あてはまる”の5件法 この尺度により、育児幸福感の程度を知ることができ、特点が高いほど育児幸福感を感じていると解釈される。なお、父親に“夫への感謝”を質問する際は、妻に感謝されていると感じるか感じないかを質問している。
調査に用いた尺度名と下位尺度項目(1)

2.育児ストレス短縮版尺度


“心身的疲労”6項目、“子育て不安”6項目、“夫の支援のなさ”4項目の3因子からなる16項目短縮版尺度を用いた。各項目は“1.あてはまらない から 5.あてはまる”の5件法 この尺度により、育児ストレスの程度を知ることができ、得点が高いほど育児ストレスを感じていると解釈される。なお、父親に“夫の支援のなさ”を質問する際は、本人の子育て支援の認識について質問している。
調査に用いた尺度名と下位尺度項目(2)

3.夫婦ペアレンティング調整尺度


父親の子育て関与に対する母親の調整行動として開発された尺度となる。
母親が父親の養育行動を支持、尊重、激励、感謝するような促進行動と父親へ拒否、避難、批判をする批判行動である。
2下位尺度の項目は、“1.まったくない から 6.いつもある ” の6件法で回答を求めた。高得点であるほど、母親から父親の子育て関与への促進あるいは批判が高いことを示す。なお父親の質問項目では父親が認識している母親の促進行動、批判行動について回答する内容となっている。
調査に用いた尺度名と下位尺度項目(3)

4.自己志向的完全主義尺度


Firostらが開発した完全主義尺度を参考に桜井、大谷により作成されたもので完全主義を多元的にとらえるものとなる。4つの下位項目、“完全でありたいという欲求”5項目、“自分に高い目標を課する傾向”5項目、“ミスを過度に気にする傾向”5項目、“自分の行動に漠然とした疑いをもつ傾向”5項目計20項目で構成される。“1.全く当てはまらない から 6.非常に当てはまる” の6件法で回答を求めた。
調査に用いた尺度名と下位尺度項目(4)

5.結婚の“現実”尺度


結婚生活の認識をとらえる結婚の“現実”尺度を用いた。夫と妻との間で一致しているかについて検討する。
3下位尺度項目は、“相思相愛”は夫婦がともに相手を愛し尊敬していることを示す。“夫への理解・支持”は妻が夫の個人としての在り方生き方を理解・尊重、支持することを示す。“妻への理解・支持”は夫が妻の個人としての在り方生き方を理解・尊重、支持することを示す。各4項目の12項目で構成される。
調査に用いた尺度名と下位尺度項目(5)

6.親発達意識尺度


親発達意識をとらえるものになる。加藤らによる、育児期にある親(父母)を対象とした親になったことによる変化と子どもの成長に伴って感じられる寂症感・後悔の教示から得られた質問項目29項目による“関係性意識”、“人格意識”、“リソースの制約感”による3下位項目により構成される。
調査に用いた尺度名と下位尺度項目(6)

解析方法

回収した無記名の調査用紙をデータベース(Excelシート)に入力した。統計、比較、関連項目の把握は統計解析ソフトウェアIBM SPSS Ver.25 を使用した。

Achievement 科研費(基盤研究C)による研究成果

平成28年~令和3年度 家族の再構築を促す育児期支援プランの検討文部科研研究 基盤研究C 研究代表者 清水嘉子

令和2年
清水嘉子.育児期にある夫婦ペアレンティング-互の育児の批判をめぐって-.日本助産学会誌,VOL34 No1,103-113. 10.3418/jjam.JJAM-2019-0009
令和2年
清水嘉子.子育て期にある夫婦ペアレンティング調整パターンと関連要因.母性衛生,VOL61 No2 ,340-351.
令和3年
清水嘉子.育児期にある夫婦関係の自覚と夫婦ペアレンティングへの思い日本助産学会誌. VOL35 No2,145-154. 10.3418/jjam.JJAM-2020-0027
令和3年
清水嘉子. 育児期にある夫婦ペアレンティング-母親の促進行動と批判行動への影響要因-.母性衛生.VOL63 No1,216-226

平成24~平成26年度 母親の健康チェックシートの開発と評価―育児相談への活用と縦断調査の試み― 文部科研研究 基盤研究C 研究代表者 清水嘉子

平成25年
清水嘉子.生後3か月の子どもをもつ母親の育児への自信-育児幸福感、育児ストレス、蓄積的疲労、属性の検討-. 小児保健研究,VOL72 No5,672-679.
平成26年

清水嘉子. 乳幼児を育児している「母親の心理健康チェックシート」の作成. 母性衛生,VOL54 No4,580-587.

乳幼児版チェックシート 幼児版チェックシート

平成26年
清水嘉子.「母親の心の健康チェックシート」を 用いた育児相談における母親の語り.母性衛生,VOL56 No1,146-153.
平成27年
清水嘉子.「母親の心の健康チェックシート」を用いた育児相談による育児幸福感を高める働きかけの評価. 小児保健研究,VOL74 No1,136-143.
平成29年
清水嘉子.生後3歳の子どもをもつ母親の育児への自信と心身の状態、属性、育児のサホート の関連. 母性衛生,VOL57 No4,660-668.
平成29年

清水嘉子.母親の心の健康チェックシートハンドブック. パレードブックス,pp1-79.

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平成29年
清水嘉子.特別寄稿 育児幸福感を高めるための取り組み-育児幸福感尺度と活用-日本看護評価学会,VOL8 No1,27-33.

平成20~平成22年度 母親の育児幸福感を高めるプログラムの再開発と評価尺度の検討 文部科研研究 基盤研究C 研究代表者 清水嘉子

平成22年
清水嘉子,関水しのぶ,遠藤俊子.母親の育児幸福感尺度の短縮版尺度開発. 日本助産学会,VOL24 No2,261-270. 10.3418/jjam.24.261
平成22年
清水嘉子.中国都市部の中国人の母親の育児幸福感と結婚の“現実” -日本在住の日本人の母親との比較-. 母性衛生,VOL51 N02,344-351.
平成24年
清水嘉子,宮澤美知留,松原美和他.母親の育児幸福感を高めるためのコースプログラムの実施と評価. 日本助産学会,VOL25 No2,215-224. 10.3418/jjam.25.215
平成28年
清水嘉子.「育児幸福感」を高める母親支援の新しい形.保健師ジャーナル12回連載.医学書院,VOL68 No4~ VOL69 No3,
平成28年

清水嘉子.育児で感じる幸せな気持ち 育児幸福感.東京図書出版,pp1-272.

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平成28年
清水嘉子.乳幼児の母親の心身の状態に関する縦断研究. 日本助産学会,VOL31 No2,120-129. 10.3418/jjam.JJAM-2017-0004
平成28年

清水嘉子.いきいき子育て手帳. 東京図書出版,pp1-79.

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