2017~2021年文部科学省補助金基盤研究C

家族の再構築を促す育児期支援プランの検討

2017~2021年文部科学省補助金基盤研究C

家族の再構築を促す
育児期支援プランの検討

研究の目的 purpose

近年、産後クライシスは、産後の夫婦の危機として注目されている。夫は妻の出産後においても長時間労働が継続しており(ベネッセ次世代研究室、2011)、特に子どもが3歳満にある夫婦の離婚が最も多い現状にある。その背景には、母親は産後の生活の予測が不十分で、産後のホルモン変化やマタニティブルーを体験する中で、子どもの育児をしている。この間、母親の夫に対する愛情は、出産後に急激に低下していることが明らかにされている(渥美、2009)。我が国の育児支援では、子どもの乳幼児健診を中心にした母親への育児指導が行われているものの、育児期にある夫婦を対象にした介入プランはほとんど紹介されていない。夫婦の調整行動の実態と関連要因を明らかにすることにより、子育て期にある夫婦の調整行動への介入のための示唆を得るとともに、子育て期の夫婦の協力への支援、さらに生涯にわたる人間発達のプロセスとして親になることへの支援に通じていくものと考える。

Expectations 研究の期待

サポート者である父親に着目し、母親にのみ介入するのではなく、母親と父親の両者に介入することで、出産後の危機を乗り越え、家族の再構築を促すことが期待できる。
父親は母親の良きサポート者としての存在であることを自ら自覚しながら、コペアレンティング(Feinberg, 2003)の視点から、夫婦で互いを理解し助け合うことによって、お互いに影響しながら、親としての役割をどのように一緒に行っていくかを追求し、よりよい子育てを可能とすることが期待できる。
育児期を夫婦で作り上げ、子どもを含めた夫婦の関係性について見直すことにより、お互いが親としての自信を持ち、人としての成長を遂げるとともに、子どもの生育環境に良い影響をもたらすことが期待される。

Definition of terms 用語の定義

コペアレンティングは両親が親としての役割をどのように一緒に行うかということ15)、広義では、「その子どもの世話と養育に責任を負うべき複数の養育者が共有する行為」16)ととらえる。本研究では、夫婦ペアレンティング調整尺度4)を用い「母親が行う父親の子育て関与を促進する行動と批判する行動」に着目し、母親自身の行動認識と父親の母親の行動への認識を夫婦ペアレンティング調整とし、コペアレンティングの一側面として位置づけた。